[2001.05.30]
  歴史の再臨


 ▼ブラジルで人気の「共産主義的」音楽ファイル交換ソフト(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/Culture/story/20010530203.html


 政治学者のフランシス・フクヤマが,「歴史の終わり」を著したのは1989年だった。共産主義の終焉は,大きなひとつの歴史の終わりと捉えられた。だが,本当に共産主義は終わったのか? リベラルな自由資本主義は,本当に最終到達点,だったのか?

 ブラジルで「共産主義」から名前を取った「コムナ」というグヌーテラ・ベースの音楽共有ソフトが人気になっている。マルクス主義イデオロギーはブラジルであまり人気がないが,コムナの作者はこの名前がふさわしいと云う。米国人は,意識しないままインターネット中で共産主義を奨励し続けいる,と考えられる。

 東西ドイツの象徴でもあったベルリンの壁が崩壊し,ルーマニアの独裁者だったチャウセスクが無残に処刑される映像が世界中に流れた。ソビエト連邦も崩壊し,冷戦,は終結した。共産主義・社会主義という「間違い」が正されたのだ,ひとつの歴史が終わったのだ,とフクヤマは述べた。だが,その意見に反対する者もいた。マルクスの理論は間違っていたわけじゃない。ただ,実際に共産主義を行っていた者たちが失敗しただけなのだ,と。思想に大きな間違いはなくとも,それに基づいた現実の政治が失敗しただけなのだ,と。だから,なにも終わってなどいない,再び,優秀な指導者の下,成功する共産主義は現れる,と。

 今に至っても優秀な指導者は現れてはいないが,それに近い環境は,世界中を覆いつくしているのかもしれない。ネットワークは,記事にあるように「個人の富の蓄積よりも社会的平等性を重んじる文化を示」している。そして,あらゆる資本主義と敵対する方向にある。ネットワークで商売しようとするものは失敗し,資本主義の権利をかざすものには徹底して攻撃が加えられる。…私は別に,共産主義者でも社会主義者でもなくって,ネットワークの文化について云っているだけだ。歴史は終わっていなかった。いや,歴史が「ふたたび」動き出しているのだ。絶対の指導者としての,ワイヤードの神に導かれながら。


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